「信者たちが祈りや感謝の気持ちを表すために、全身に針を通したりフックをかけたりした状態で、15kmもの道を夜通し素足で苦行を行う」という祭典があるということで、観に行ってきました。

お祭りの名前は「タイプーサム」。南インド、タミル文化圏が発祥のヒンドゥー教のお祭りで、タイ月(1~2月頃)にプーサム星の日に行われることからタイプーサムと呼ばれる様です。このお祭りは、そのあまりにもの過激さゆえに本国インドでは禁止されているとのこと。

ヒンドゥー教の軍神ムルガン神(タミル系で深く信仰されている)を称え、祈りをささげるお祝いだそうです。ムルガン神は、バトゥ洞窟にあるでーっかい黄金の像ですね。最高神シヴァとパールヴァティーの次男で、ガネーシャの弟らしいです!

で、具体的にはお祭り前々日(2026年は1月30日)の夜9時にスリ・マハ・マリアマン寺院を出発し、15kmもの道を祈りを捧げながら、踊りながらゴールであるバトゥ洞窟を目指します。
何のためにそんな苦行を行うのか?
日本人からすると、全身に大量のフックを刺して、頬を針で串刺しにして、裸足で15kmも歩くなんて正気の沙汰とは思えません。いや、絶対痛いやん!やっている時はトランス状態に入っているというのはあると思いますが、普通に考えて痛みはあるはずです。

ではこの苦行の目的はというと、「現世の救いを求める」という点が強い様です。痛み=自己犠牲であり、自己犠牲=信仰の深さを表し、痛みが強い分だけ今ある苦しみを神(ムルガン神)が取り除いてくれるということですね。現世利益を求めるという観点でいうと、日本の仏教でいうと弘法大師空海の説く真言密教に少し通じるものがあるのかも知れません。
また「すでに起こった良い出来事に対する感謝を示す」ということもある様です。

この儀式は家族や親族単位で、みんなでサポートしながら行います。この儀式を行うことで過去に自分や身内で何かが叶ったり成功した体験をしていて「現実を動かす方法」という実感があるファミリーであれば、ごく自然な行為なのかも知れません。
今度その辺のことをインド系マレーシア人に聞いてみようと思います。
